グラフィックデザインのスキルが要らなくなってきた

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一昨年に受託制作から自社サービスの部署に異動してから、仕事でグラフィックデザインをする機会がめっきり減りました。

個人的な部署異動の影響も大きいとは思いますが、デザイナーに求められているものが変わってきているように思います。

「つくる」だけでは稼げない

恥ずかしながら異動をしてから意識するようになったのですが、受託制作と違って自社サービスは制作物を納品する訳ではないので、つくっただけではお金にはなりません。

つまり、つくったものによって稼がなければならないのですが、「グラフィックデザイン」に注力することが成果に結びつくケースが受託制作に比べて極めて少ないように思います。

よって、「成果を出すこと」に向き合わずにただ「つくる」ことだけに専念してしまうと、どんなにクリエイティブが立派に見えても、何の成果も生み出さない自己満足になってしまいます。

「つくる」前に考える2つのこと

では、自己満足のデザインに陥らないために、デザイナーは何をすればいいのでしょうか。

(出典:CXをデザインするためのダブルダイヤモンドとは【第3回】 | IT Leaders

そのヒントになりそうなのが、「英国政府のデザイン振興機関のデザインカウンシルが2005年に提唱したダブルダイヤモンド」というデザインのフレームワークです。(なんかすごそう)

左のダイアモンドが「課題の特定」、右のダイアモンドが「解決策の特定」の流れを表しています。順に説明します。

1.「課題の特定」は「何をやるか」

何か問題が発生した時には、それに飛びついて解決策を出す前に、「問題」が発生した背景にある「課題」を突き止める必要があります。

定番のお話で例えると、「もっと早い馬が欲しい」というお客さんの声に対して「早い馬を提供しよう」というのは短絡的な解決策です。

本質的な解決策を提案するためには、まずお客さんが「なぜ早い馬を求めているのか」という掘り下げが必要になります。

表面的に出てきた「問題」から可能性を拡散・収束し、本当に解決すべき「課題」を見出すのが1つめのダイアモンドです。

2.「解決策の特定」は「どうやるか」

課題が特定できてから初めて「それをどう解決するか」を考えます。

先程の馬の話をするならば、早い馬を求めていたお客さんが実は「買い物の時間を短くしたい」という課題を抱えていたとしましょう。

それならば、「早い馬」でも「車」でもなく、商品を届けてあげても良いかもしれません。

「課題」を特定したときと同じく、「解決策」の可能性を拡散・収束して最適な解決策を選ぶのが2つめのダイアモンドです。

デザイナーに求められるスキル

デザイナーと言えばデザインを「つくる」ことが仕事のように思われがちですが、異動を経験して、「考える」ことこそデザイナーの本分であるように思えてきました。

というのも、繰り返しになりますが、どんなにクリエイティブが良くても、解決策や課題を見誤ってしまっていては何の成果も生み出せません。それではただの自己満足です。

「課題」と「解決策」を検討した結果何かをつくる必要が出た時、はじめて「グラフィックデザイン」という手段が候補に上がります。

これは何もグラフィックデザイナー不要論を唱える訳ではなく、グラフィックデザインのスキルはいつでも使える手段として持っておきつつも、目的は課題解決であることを忘れてはならないなと。

そう考えると、今デザイナーに求められているのは、関係者・専門家(ユーザー、事業責任者、エンジニア、データアナリスト、CS等)の意見をしっかりと聞いて、事実と推測を整理し、仮説立案・検証を重ねて話を前に進めていくスキルなのではないでしょうか。

(昔から「アートディレクター・クリエイティブディレクター・Webデザイナー」たちがやってきたようなことがわざわざ「UXデザイン・UIデザイン」等と語り直されているのも、そういうことを求めている流れなのかなと)

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